2015年 06月 04日
アドバンスト・スタイル~そのファッションが、人生~ |
ストーリー
年を重ねて自分の魅力を知りつくしているからこそできるファッションに
身を包んだ女性たちを紹介する人気ブログ「Advanced Style」。
そこに登場するニューヨークで独自のファッションスタイルを貫く彼女たちの
人生に裏打ちされたファッション哲学や、力強く生きる姿を映し出す。
キャスト・スタッフ
キャスト:ジポラ・サラモン/ジョイス・カルパティ/リン・デル
監督:リナ・プライオプライト
制作:アリ・セス・コーエン
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歳を重ねたときの自分の理想像は、人それぞれ様々。
けれど私の理想像は、この映画に出てくるパワフルな彼女たちに近い。
それはやっぱり身近でそういう人を見ていたから。
映画を観ながら、祖母を思い出した。
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大きなツバ付きの帽子にパンプス。
通り過ぎた後には香水の残り香。
それが私が大好きだった母方の祖母のイメージ。
大好きな叔父が亡くなったショックから一人中国へ渡り
そこで祖父と出会い結婚・出産。
しかし祖父がシベリアに抑留されたため
女だと気づかれないよう坊主頭にして、母を連れて帰国。
下宿所の大家時代には、大きな魚を丸々仕入れてきて下宿生に振舞ったり。
「男の人はこういう所で遊ぶものよ」と、母をキャバレーに連れていったり。
お酒・タバコ・麻雀は当たり前。
母から聞く祖母の昔話は、どちらかと言えば豪快で男勝りのものばかり。
けれど私が見ていた祖母はー。
顔の痣を見せたくなくて、朝起きるとまず真っ先に鏡に向かいお化粧をし。
帽子、ネックレス、イヤリング、指輪、バックー。
とにかく衣装持ちで小物使いがとても上手なおしゃれな人。
そういう人だからか
背筋をピンと伸ばし真っ直ぐ綺麗に歩く練習だからと
私は小さな頃からよく白線の上を歩かされ。
膝を曲げて歩くくらいなら、格好悪いからヒール靴は履くなとよく言われた。
「コンプレックスに委縮するのではなく
自分のいいところを表に出す。
そうやって、いつも堂々としていればいいの。」
そう私に教えてくれた祖母にとって
ファッションやお化粧はただ自分を飾ることではなく
自分に自信をまとうための鎧だったのかもしれない。
映画に出てくるパワフルな女性たちを見て
ふとそんな風に思った。
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「あなたは何もかも、私じゃなくておばあちゃん譲りね。」
歳を重ねるつれ、母によく言われるようになった言葉。
映画の中の彼女たち同様、祖母ものびやかな人だった。
歳を重ねるにつれ、自分の身体に起こる変化を受け入れ
そのときそのままの自分にできることを楽しむ。
今月は既に他界してしまった祖母の誕生月。
私はいつもそのときの自分を楽しめているかな。
今日は祖母が好きだった紫陽花の花を飾ろう。
by bukubuku_abuku
| 2015-06-04 23:31
| シネマとアートと音楽と